【スタッフ・レビュー更新】はっぴいえんどの大名盤!3作品を最新リマスターでリリース!

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1st ALBUM『はっぴいえんど』

1970年8月5日にリリースされたはっぴいえんどの記念すべきファーストアルバムを2023年最新リマスター+Blu-spec CD2で発売!
初回生産限定盤はボーナストラックとして未発表音源を収録+新規ライナー掲載のブックレット付属のスペシャル仕様となります。

録音情報
オリジナル発売日:1970年8月5日

ALBUM『はっぴいえんど』
初回生産限定盤(Blu-specCD2)
2023.11.1 release
MHCL-30914 税込:¥3,520
・2023年リマスタリング
・ライナーノーツ
封入特典:ブックレット/ボーナストラック収録

スタッフ・レビュー

はっぴいえんどのファーストアルバム『はっぴいえんど』(通称:ゆでめん)は、1970年8月5日に発売。

はっぴいえんどは、1969年10月に解散したエイプリルフールのメンバーだった細野晴臣と松本隆が、日本語のロックを作るために、大瀧詠一と鈴木茂をメンバーに加えて1969年に結成した。

当時は、グループサウンズの後期グループが英米のロックに影響を受けて英語のロックを演奏するのが主流だった。ダイナミックなロックサウンドに日本語を乗せるという試みは、後に英語派と日本語派の論争をも巻き起こすことになる。

サウンドは、モビー・グレープ、バッファロー・スプリングフィールド、ザ・バンドなど米国のグループを参考にし、作詞担当の松本は、その音にどう日本語を乗せるのかという実験を行い、言葉の抑揚、文節、強弱、ダブルミーニング、韻の踏み方などを試している。

アルバム中最も重要な作品は「12月の雨の日」。松本が大瀧の自宅に行った時に書き上げた詞に大瀧が曲をつけたもので、ギタリスト選考の際に鈴木は完成版になったイントロを即興で弾いたという。この曲から日本語のロックは始まった。

松本―大瀧によるアグレッシヴな「春よ来い」、日本的な情緒を含んだ「かくれんぼ」、唯一のラブソング「朝」、大瀧の言葉遊びが秀逸な「いらいら」、松本―細野の風街初期作品「しんしんしん」、当時流行していたサイケ色が強い「敵タナトスを想起せよ!」ガレージロックの「あやか市の動物園」、プロコルハルムばりのキーボードサウンド「飛べない空」、60年代から70年代へのメッセージソング「はっぴいえんど」「続はっぴーいいえーんど」を収録。

レコーディングは1970年4月9日~12日のたった4日間。当時の空気がいっぱいに詰まった傑作だ。
(Text By M.Kobayashi)

2ns ALBUM『風街ろまん』

1971年11月20日にリリースされた日本のロックの名盤の誉れ高きはっぴいえんどのセカンドアルバムを2023年最新リマスター+Blu-spec CD2で発売!
初回生産限定盤はボーナストラックとして未発表音源を収録+新規ライナー掲載のブックレット付属のスペシャル仕様となります。

録音情報
オリジナル発売日:1971年11月20日

ALBUM『はっぴいえんど』
初回生産限定盤(Blu-specCD2)

2023.11.1 release
MHCL-30916 税込:¥3,520
・2023年リマスタリング
・ライナーノーツ
封入特典:ブックレット/ボーナストラック収録

スタッフ・レビュー

はっぴいえんどのセカンドアルバム『風街ろまん』は、1971年11月20日に発売。

前作で日本語のロックという命題にチャレンジしたバンドは、確かな手ごたえを得てコンセプトアルバムの制作に取り組む。東京オリンピックで失われた東京の原風景を再構成することがテーマだ。そして松本が描く<風街>の世界感がここで完成する。歌詞はより文学的になり、サウンドはより深みのある世界を作り上げた。

重要曲の一つは「風をあつめて」。名曲中の名曲。晴海埠頭におこる風をイメージして松本が描いたですます調の歌詞を、印象的なメロディで紡いだ細野が、ジェイムス・テイラーにインスパイアされたヴォーカルスタイルで歌う。歌に寄り添うギター、ベース、ドラム、オルガンすべてが素晴らしい。

大瀧も負けてはいない。「はいからはくち」は、「ハイカラ白痴」「肺から吐く血」「はいから博士」などタイトルからも様々なイメージを膨らませる。お囃子~フジカラーのパロディコメントに続く鈴木の豪快なギターで始まるロックンロールで、シャウター大瀧の見事なヴォーカルを堪能できる。ここで日本語は完全にロックビートに乗ったと断言する。

ビートルズのオマージュ「抱きしめたい」、スティールギターをフィーチャーしたカントリーチュ-ン「空色のくれよん」、江戸川乱歩の世界観を表現した「暗闇坂むささび変化」、田舎の夏の風景が眼前に現れる夏の名曲「夏なんです」、鈴木の記念すべきデビュー作「花いちもんめ」、細野のファルセットヴォイスが聴けるファンキーなソウルナンバー「あしたてんきになあれ」、後の大瀧の得意分野になるノベルティソング第一号「颱風」、大瀧のブルーグラス・サウンド「春らんまん」、<あいうえお>をそのまま歌詞にした「愛餓を」を収録。

オリジナルアルバムジャケットの見開きには、漫画家、宮谷一彦による都電の風景が描かれている。誰もがその当時の東京に住んでいたわけではないのだが、このアルバムで描かれる<風街>は誰もの心の中にある風景でもある。それぞれの<風街>を追体験する事でこのアルバムは不朽の名作となっているのだと思う。
(Text By M.Kobayashi)

3rd ALBUM『HAPPY END』

1973年2月25日にリリースされたはっぴいえんどのサードアルバムを2023年最新リマスター+Blu-spec CD2で発売!
初回生産限定盤はボーナストラックとして未発表音源を収録+新規ライナー掲載のブックレット付属のスペシャル仕様となります。

録音情報
オリジナル発売日:1973年2月25日

ALBUM『HAPPY END』
初回生産限定盤(Blu-specCD2)

2023.11.1 release
MHCL-30918 税込:¥3,520
・2023年リマスタリング
・ライナーノーツ
封入特典:ブックレット/ボーナストラック収録

スタッフ・レビュー

はっぴいえんどのラストアルバム『HAPPY END』は、、1973年2月25日に発売。

セカンドアルバムを発表した後、大瀧詠一がソロアルバムを発表し、バンドはほぼ解散状態になっていた。プロデューサー三浦光紀は最後のアルバム制作を海外で行うプランを提示し、1972年10月メンバーはロサンゼルス録音を敢行する。

メンバーは、各々のソロアルバム制作もあり曲が用意できず、現地で曲作りから始めることになるが、当時まだほとんど例のない海外録音に意欲的に参加。そしてリトル・フィートのメンバーも含む現地のミュージシャンとの共同作業は多大な影響をメンバーに与えることになる。

最重要曲は、ヴァン・ダイク・パークスがサウンド・プロデュースを行った「さよならアメリカさよならニッポン」。ワンフレーズを音の万華鏡のように立体的に構築したサウンドは、ニッポンでもなくアメリカでもない究極のはっぴいえんどサウンドになった。

もう一つの重要曲は、鈴木茂の最高傑作のひとつ「氷雨月のスケッチ」。ギタープレイに集中し、大瀧、細野に隠れていた鈴木が、このアルバムでは主導権を握り楽曲提供からサウンド構築に才能を開花させている。

ディズニー「三匹の子豚」をモチーフにした「風来坊」、春をテーマにした「明日あたりはきっと春」、プロコルハルム『ア・ソルティ・ドッグ』との類似性も感じられる「無風状態」、リトル・フィートのビル・ペインとロウエル・ジョージを迎えた鈴木のファンキーポップ「さよなら通り3番地」、南部色の強いファンキーナンバー「相合傘」、大瀧のヨーデル唱法が光る「田舎道」、大瀧のほのぼの路線「外はいい天気」を収録。

LA録音とあって全体のサウンドは乾いたファンキーポップとなり、風街の都会的な歌詞と見事に混ざり合う。それぞれのソロ作品の寄せ集め的な傾向は否めないが、鈴木のポップセンスが開花して爽やかな風を感じられる最後にふさわしい作品となった。

はっぴいえんど解散後、松本隆は作詞家として歌謡界に参入し新しい風を吹き込んでいく。細野晴臣はソロ活動、バンド活動を経てイエローマジックオーケストラを結成し、世界のマエストロとして活動中。鈴木茂は『HAPPY END』の後、ソロアルバム『BAND WAGON』をLA録音で発表。セッションギタリスト、作曲家として活動中。大瀧詠一は、ナイアガラレーベルを立ち上げ、プロデューサーとして自身のソロアルバムなどを制作、日本のポップスの金字塔アルバム『ア・ロング・バケイション』を発表。2013年に惜しくも他界するが、彼の音楽は再評価を繰り返し今なお世界中で鳴り響いている。
(Text By M.Kobayashi)

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